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TOPICSトピックス

2021.07.19
プレスリリース

結合前の情報だけで、結合後の性質を高精度に予測~化学反応や触媒の予測への応用に期待~

東京大学 生産技術研究所の溝口 照康 教授、東京大学 大学院工学系研究科 修士課程2年の鈴木 叡輝 大学院生(研究当時)、東京大学 生産技術研究所の柴田 基洋 助教らの研究グループは、化学結合を高精度に予測することができる記述子を発見しました。

ポイント
◆化学反応や吸着といった現象は、原子が他の原子や分子などと結合する過程が組み合わさって生じます。結合強度や距離などの結合物性を知るには、それぞれの結合についてモデルを作成してシミュレーションする必要があります。
◆今回、原子―原子、原子―エチレン分子、原子―グラフェンという比較的単純な化学結合を対象とし、結合「前」の状態で得られる情報だけで、結合「後」の結合物性を高精度に予測できる人工知能を構築しました。また、高精度の予測には、結合を形成する原子、分子、固体の個々の状態(状態密度)の情報が重要であることを明らかにしました。さらに、開発した手法を用いることで、わずかなデータ量の学習で十分な精度を実現できることも明らかになりました。
◆今後、分子―分子や、分子―固体など、より複雑な化学結合の予測へと応用されることで、吸着や化学反応の予測に役立ち、物質開発のさらなる加速が期待されます。

詳しくは下記URLをご覧ください。
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3607/